2024-12-27

Samares / Colin Vallon

 

Colin Vallon(コリン・ヴァロン)はスイスのジャズピアニスト。ピアノトリオ作品として2024年本作は6作目。パトリス・モレB、ジュリアン・サルトリウスDrとの共演として3枚目にあたります。“自然(とくに植物)からのインスピレーション”を得て、彼らなりの相互作用でつくり上げたとしています。

マンフレート・アイヒャー率いるECMレコード(レーベル)といえば、チック・コリア「リターン・トゥ・フォーエヴァー」をはじめキース・ジャレット「ザ・ケルン・コンサート」、パット・メセニーの初期あたりのイメージでしょうか。“静寂の次に美しい音楽”という創設時のコンセプトは55年経ったいまでも表現されています。普段どちらかといえば熱い音楽をかけがちな僕でも、たまーにECMしたくなるときがあります。

1.Racine からして吹雪を感じさせる音とともに冬を感じさせてくれる音楽です。4.Ronce のようにヒタヒタとしたリズムにピアノとベースが次第に熱を帯びていく様もいい感じです。8.Souche の中間あたりでのピアノのちょっとエスニックな展開が好きだったりします。アルバム全般にわたって、自然の音やリズムを楽器演奏に置き換えたような音世界が繰り広げられています。掘るともっと多彩な面を持つECMですが、今回は静かな年末を過ごせるような作品を紹介してみました。

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