渡辺貞夫さんは1933年2月生まれとのことで、今年で91歳。僕の父が34年1月生まれで1歳年下の90歳。独居老人の父には毎週会ってその年齢の実情を見ていますが、とてもじゃないですが、立ってサックスを吹き続けるなんて異次元に思います。昨年に続いて今年2024年もこうして新作を発表されているなんて本当に驚きです。オフィシャルサイトを拝見すると全国ライヴツアー中だなんて。
日本のジャズ&フュージョン界に多大なる影響を与えているナベサダさん。多くの後進を育ててなお一線で活躍されていることに尊敬します。メンバーにイエロージャケッツのラッセル・フェランテP、パット・メセニー等と共演したベン・ウィリアムスB、レギュラーの竹村一哲さんDrのカルテットで、味わい深いバラードを聴かせてくれます。
戦争やその予兆が多発している世の中に、願いを込めて吹いている1.PEACE のアルトサックスがなんとも慈愛を感じる音色なんです。2.I FALL IN LOVE TOO EASILY や9.I'M A FOOL TO WANT YOU も大好きなスタンダードで、シンプルに思いを込めて吹く姿が目に浮かぶようです。控えめに生きる父の姿を重ねたりしてしまいますが、同時に老いに向かっている自分にとってもあるべき姿のようなものを聴かせてくれるような作品でした。
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