2024-02-16

A New Beat / Ulysses Owens Jr.

 

Ulysses Owens Jr.(ユリシーズ・オーエンス・ジュニア)はアメリカのドラマー。僕はクリスチャン・マクブライド・トリオ「Live at the Village Vanguard」やグレゴリー・ポーター「Nat "King" Cole & Me」でそのドラムスを耳にしていました。この2024年のアルバムは“and Generation Y”としているとおり、若いジャズミュージシャンで構成されたクインテットとなっており、今現在のニューヨークを生で感じさせるサウンドになっています。

録音場所は伝説のルディ・ヴァン・ゲルダー・スタジオでもあるそうで、スタジオライヴを間近で聴いているよう。熱気そのものが伝わってくる演奏で、体温まで上がってきます。おそらくユリシーズはこの若き精鋭たちの兄貴分で、演奏をグイグイ引っ張る姿はアート・ブレイキーを想起させます。ジャズの伝統へのリスペクトを保ちつつ新しい音楽を作っていこうという気迫が伝わってきます。

1曲目Sticks からジャズクラブに入り込んだような熱気に包まれます。ここでユリシーズのドラムプレイに耳を傾けてください。物凄いことが繰り広げられています。かと思えば4.Until I See You Again では美しいピアノ、趣のあるベースソロ、気持ちのよいホーンで聴かせてくれます。ラスト9.Chicken An' Dumplins ではドラムロールからリム連打までまさにアート・ブレイキーの曲を決めてくれています。こういう曲をこういうサウンドで聴きたかったんだというアルバムです。

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