2024-12-31

2024年音楽&オーディオ振り返り

 

AirPodsの売上が爆増しAirPodsだけでSpotifyや任天堂を上回る”(Gigazine 12月23日の記事)にもあるように、AirPodsで約2兆8000億円もの売上で、音楽配信で世界トップのSpotifyを上回っていると。あのゲーム大手のニンテンドーよりもアップルの一部門のほうが上回るとはなんたることでしょう。

街中でもあの白いAirPodsをしている人は多いという印象です。音楽配信について言えば、Spotifyは無料でも聴けるので利用者は多いですし、AirPodsということはiPhoneで、Apple Musicを有料契約している人も多いでしょう。ミュージシャンで録音物でビジネスしている人にとっては不可欠な存在です。特に新譜が聴かれないと次に続かないのでApple Musicでの配信と拡散は必須となります。サブスクは旧譜への波及効果も見込めます。

レコード&CD時代にくらべたら、サブスクの手取りの少なさに呆れるほどですが、曲の存在を知られなければ始まらないので、どこかで配信せざるを得ない。そして録音物以外のライヴやグッズなどの収入をどう増やすかに活動のほとんどを充てることになります。

オーディオもビジネス視点では、AirPodsひとり勝ちです。ん?AirPodsはオーディオではない?、なるほどいわゆるオーディオ界隈ではAirPodsが話題になることはほとんど無いという印象です。そりゃハイレゾ接続ではないし、値段高いし、なんか嫌だし...と理由はありましょう。でも音質も良くてノイキャン性能優秀、空間オーディオもある。今年からは補聴器的な耳の健康対策に注力していたり、加速度センサーやノイズコントロールでウエアラブルデバイスとして来年はさらに売上を伸ばすでしょう。ビジネス戦略の違いがこんなに格差を生んでいます。

僕のような「ニッチ」で「趣味が大事」で「あれもアリ、これもアリ」な多様性支持層は、もっと消費者ボトムアップで拡げて深堀りしていくしかないと思っています。サブスクのおかげでいろいろ聴けるようになったし、気に入ったものをCDで買ったりしました。ただものではない音楽好きの仲間もできて、レコードの音を楽しむ機会も増えました。そしてジャズ以外の音楽もよく聴きました。やっぱり純粋に音楽をもっと楽しみたいと思える一年となったのです。

2024年10月「Qobuz」音楽配信サービスがローンチしました。ストリーミングもダウンロードもハイレゾできて、ミュージシャンやレーベルのリンクもあって、オーティオ特化のプレイリストがあったり、読み物(マガジン)もあって、音楽&オーディオ好きにとって好感がもてるサービスです。もちろん音質もアップロードされた楽曲になるべく手を加えず、かつ高品位な機器で配信されているであろうと感じられるものです。今後の拡充に期待できます。

イヤフォンやヘッドフォンも、有線やワイヤレス問わず新製品は出続けていて、一人2機種以上持ちが多くなっているように思います。スピーカーを設置してというのは少数派に思われますが、耳の中だけなく体で感じることができるスピーカーの良さを音楽好きは知っているはずです。Bluetoothスピーカーやアンプ内蔵スピーカーも良いものが出ています。こうしてオーディオは選択肢の多さがあるからこそ楽しいといえます。

みんな一緒ではなく「へぇ、それ使ってるんだ」と人それぞれがいいと思います。アップルも使いますけど...。というわけでこの年末にワイヤレスイヤフォンをひとつ増やしました。Qobuzをハイレゾのままワイヤレスで聴きたいと思いまして。

2024-12-27

Samares / Colin Vallon

 

Colin Vallon(コリン・ヴァロン)はスイスのジャズピアニスト。ピアノトリオ作品として2024年本作は6作目。パトリス・モレB、ジュリアン・サルトリウスDrとの共演として3枚目にあたります。“自然(とくに植物)からのインスピレーション”を得て、彼らなりの相互作用でつくり上げたとしています。

マンフレート・アイヒャー率いるECMレコード(レーベル)といえば、チック・コリア「リターン・トゥ・フォーエヴァー」をはじめキース・ジャレット「ザ・ケルン・コンサート」、パット・メセニーの初期あたりのイメージでしょうか。“静寂の次に美しい音楽”という創設時のコンセプトは55年経ったいまでも表現されています。普段どちらかといえば熱い音楽をかけがちな僕でも、たまーにECMしたくなるときがあります。

1.Racine からして吹雪を感じさせる音とともに冬を感じさせてくれる音楽です。4.Ronce のようにヒタヒタとしたリズムにピアノとベースが次第に熱を帯びていく様もいい感じです。8.Souche の中間あたりでのピアノのちょっとエスニックな展開が好きだったりします。アルバム全般にわたって、自然の音やリズムを楽器演奏に置き換えたような音世界が繰り広げられています。掘るともっと多彩な面を持つECMですが、今回は静かな年末を過ごせるような作品を紹介してみました。

2024-12-24

エムゼス東京(赤坂)を紹介します

 

六本木のジャズクラブで一緒に仕事していた仲間が、今年から店長を務めることになったという「ライブレストラン MZES TOKYO(エムゼス東京)」にやっと行くことができました。千代田線赤坂駅から徒歩2分、丸ノ内線赤坂見附駅から徒歩5分という立地、バーカウンター8席&テーブル46席というキャパシティです。

入り口。地下1階にあります。

ピアノが美しい。

ホームページの写真のほうがよいのですが、ステージには見目麗しいピアノ(KAWAI "M")があり、小規模ながらとても映える設えになっています。モダンでありながら居心地のよい空間だなと感じました。

店長とちょっとした昔話をしていたら、シェフも加わって話題は店の“これから”について。「やりたいことがたくさんある」と力強い意志を聞くことができました。飲食業や経営について積み重ねてきたことがあって、だからこそ来月来年できることがある、“ライブレストラン”という価値をもっと伝えていきたい、と前向きな二人がとても頼もしく思えました。

僕も昔を思い出して「それで?次はどうする?」と前のめりにアレコレ聞いてしまいました。応援できるところがあれば微力ながらぜひと思っているところです。音楽ライヴはもちろん、レストランやバーとしてきちんとお客様を迎えることができる“ライブレストラン”です。この立地とキャパを活用して小規模イベントにも利用できると思います。DMやお声がけお待ちしています。

2024-12-20

Steam Engine / STEAM ENGINE

 

STEAM ENGINEは、木村紘Dr.、馬場智章Sax、佐瀬悠輔Tp、渡辺翔太P、古木佳祐Bからなるユニット。丸の内コットンクラブでの初ライヴから全公演Sold Outとのことで、2024年本作は待望のファーストアルバムとなります。「ジャズを聴いたことがない人にも魅力が伝わるようなメンバー、楽曲」のコンセプトどおり、誰が聴いても“熱い”演奏が充満している作品です。

J-POPやアニメ音楽をたまに聴いてみると、「うわっそこからそんな展開...」「複雑なリズムだわ」と感じることもままあって、おそらく作者や演奏家はジャズも聴いたりしているのではと思ったりします。もしかしたら日常的にJ-POPを聴いている人にとって、STEAM ENGINEの楽曲は「歌はないけれど、カッコいい」くらいで抵抗なく入り込めるのかもしれません。そしてジャズ聴きの僕にとっては“本格的にジャズしている”と感じるアルバムなのです。

タイトル曲1.Steam Engine からガツンとジャズをスチームしてきます。こりゃライヴで聴きたくなるわけだと思わせる演奏です。次の2.Intersection で、なんとなく寄り添ってくる感じです。5.Blue Lights になるとクラブでかかっていそうな雰囲気。理屈っぽさを排除して、ジャズの美味しいところを抽出したアルバムです。老若男女問わず、多くの人に聴いてほしいな。

2024-12-17

ポタフェスに行ってきました

 

ポタフェス(ポータブルオーディオフェスティバル)にお誘いをうけて行って来ました。オーディオ関連のイベントには興味があって時々見に行っていたのですが、こうしたヘッドフォン/イヤフォン中心のイベントは初めての参加でした。

    人混みすごい。

ハイレゾストリーミングサービスQobuz(コバズ)の中心人物の方々とお会いできたこと、発売したばかりのワイヤレスイヤフォンの製造元の方とのランチに同席できたこと、興味アリのヘッドフォンの試聴ができたことなど、「行ってよかった」でお誘いに感謝するばかりです。

それにしても開場前から長蛇の列で、イベント会場は大盛況でした。オーディオイベントといえば、僕も含めて白髪まじりのオジサマが多いイメージでしたが、今回は若年層も多く幅広い客層で、試聴で漏れて聞こえる音楽も実にさまざま。そうかイマドキのオーディオ好きはこちらに来ている人たちだったんだと、改めて思い知らされました。

そして試聴する曲は、自分のスマホやデジタルオーディオプレイヤー(DAP、デジタルウォークマンとか)で持参するのが「当たり前」なのでした。てっきり展示社側が用意した音源を聴くのかと思っていたのが間違い。できればDAC(デジタル→アナログ変換、iPhoneは内蔵していないのでポータブルなDACが必要)も持参して、ヘッドフォン端子を挿せるようにしておくのがよい、というマナー?も学びました。

初代ウォークマンをつけて秋葉原を歩いていた中学時代から45年。秋葉原の街並みも変わって、外国人観光客で歩道は混雑。ポータブルオーディオもデジタルを経て随分と多様化しました。全体からみれば少数派であろう“いい音”を求める人々もまだこれだけ多くいるのはうれしいことでした。

2024-12-13

Solid Jackson / M.T.B.

 

M.T.B.とは、ブラッド・メルドーP、マーク・ターナーSax、ピーター・バーンスタインGの頭文字。1994年のアルバム以来30年ぶりの2024年新作となります。ラリー・グレナディアBとビル・スチュワートDr.をバックに名手の彼らにしかできないスリリングな演奏を繰り広げています。

ブラッド・メルドーはメセニーの「Metheny Mehldau」で初めてじっくり聴いて以来、その特異な存在感に影響され、数々のリーダー作を追っかけ聴きしました。そしてマーク・ジュリアナDr.との挑戦的なアルバム「Mehliana」ではそのぶっ飛び具合に驚かされたり。一見普通のジャズ?と聴き始めるのですが、だんだん「ナニこれ」なコード進行やメロディに不思議な感覚となり、やがてそれが癖になっていきます。セッションしているバンドメンバーもつられてオリジナリティが開いていくようです。

メルドー作のタイトル曲1.Solid Jackson から普通かと思ったら全然普通じゃない進行が聴けます。こんなんでアドリブするわけですからジャズミュージシャンってスゴい、というか超絶なメンバーなんですけど。さらにこのメンバーでウェイン・ショーターの3.Angola を演奏するという達人たちが達人(宇宙人?)の曲をという印象です。大好きなピーターが作った7.Ditty for Dewey でちょっと落ち着いてと思いきや、いつもと一味違う感じ。年末に来てこれぞジャズなアルバムの発表となりました。

2024-12-10

洋楽のリズムはカッコいい?

 

その昔、「洋楽のほうがカッコいい」理由のひとつに“リズム”についてよく語られました。よくある話は「日本人は1拍目と3拍目」あるいは拍均等、「洋楽は2拍目と4拍目」にアクセントがあるというもの。表拍に対して裏拍、バックビートとか言われて今でもYouTubeなんかでもよく出てきます。たとえば西城秀樹の「YOUNG MAN」とヴィレッジ・ピープルの「Y.M.C.A.」のリズムの違いでしょうか。

僕は幼少期は歌謡曲で育っていますし、実は表拍もいいよねと思っているほうです。でも大学時代にバンドを演るようになってから、ちょっとわかってくるようになりました。腹にくるというか腰を揺らすというか、一言でいえば“グルーヴ”を感じるのは2拍4拍に重心が乗っかって、円を描くようにリズムが回転していくような感覚を感じたときに「これだ」と思いました。

それは裏拍なファンクだけでなく、ハードロックを演奏しているときもそう感じたわけです。その感覚でもって洋楽を聴くと「たしかにカッコいい!」と思えるようになりました。結果的に圧倒的に洋楽を聴くことが多いわけですが、その一因として“リズム”があることはたしかです。

一方で、ここ数年のJ-POPヒット曲を聴くとテンポが速いというか、ちょっと性急(つんのめり?)なリズム、が多いように感じます。いや、海外の曲にも多いかもしれない。そしてそれはそれでカッコいい曲だったりするので、ひと昔前の「洋楽のリズムは...」なんて捉え方をミュージシャンはしていないのかもしれません。自然と使い分けができるようになったということだと思います。

なんて言いながら、ニュー・オリンズ勢のネヴィル・ブラザーズやザ・ダーティー・ダズン・ブラス・バンドのライヴを聴いて、グッと重心の効いたリズムにノリノリになっていますけど。

2024-12-06

Odyssey / Nubya Garcia

 

Nubya Garcia(ヌバイア・ガルシア)はイギリス・ロンドンのサックス奏者&作曲家。2024年の本作は4年ぶりのセカンドアルバム。10歳からサックスを習い始めジャズを演奏するようになり、作曲活動をとおして様々な経験を積んで活躍しています。ジャズの巨匠たちやレゲエからの影響が感じられます。

ウィズ・ストリングスとは違うシンフォニックなアルバムで、ジャズの枠を大きく拡げている作品だと感じます。緻密に構築されたサウンドはまるでプログレとかダブを聴いているかのよう。目の前に大きく広がる音宇宙に放り出されたような気分になります。

1.Dawn はエスペランサ・スポルディングをVo.に迎えた壮大な曲。次のアルバムタイトル曲につながって全体の雰囲気を印象づけます。サム・ジョーンズの高速ドラムに乗せた3.Solstice はドラムンベースとも思えるカッコいい曲です。90年代風のイントロで始まる9.Clarity はリズムにレゲエを感じながら彼女のゆったりとしたサックスを聴くことができます。全体的にはちょっと緊張感が高くてとっつきにくいかもしれないので、まずはオーディオ的に横に奥にひろがるサウンドを感じながら聴いていくといつの間にか浸っている、そんなアルバムだと思います。

2024-12-03

ボニー・レイットを聴く日々

 

せっせと、あれよあれよと、ボニー・レイットのアルバムを集めてしまいました。ドン・ウォズとの仕事を終え、マイケル・フルームとチャド・ブレイクをプロデューサーに迎えた「ファンダメンタル」から最新作まで。

ボニー・レイットのCD

なにがいいってまず、音。クリアで高域から低域までバランス良く出ていて、どの楽器もグッと前に出てくる。ベースやバスドラの迫力良し。やっぱり特にスライドギターの音がたまらないです。サブスクでもいい音は感じていたのだけど、CDで聴きたくなってしまったのです。アナログで聴いたらもっとスゴいかも。

そして、曲。ノリノリもバラードも僕のツボでした。似たような曲で飽きるかなと思っていたのですが、全然そんなことない。聴けば「うん、この曲もいい」ってなってまた聴いている。彼女の声と曲がこのうえなく合っているんでしょうね。バラードはほんとに沁みます。

ボニー・レイットを昔から聴いている方は、もっと前の時代のものが好きなんだと思います。それらもサブスクで聴きましたが、僕には近作のほうが好みのようです。というわけで、何か聴こうかとまずボニー・レイット、ほかのをいろいろ聴いたらまたボニー・レイットに戻るみたいな聴き方をかれこれ1年以上続けています。

2024-11-29

Brightlight / Avishai Cohen

 

Avishai Cohen(アヴィシャイ・コーエン)はイスラエル出身のジャズベーシスト。14歳のときに米国セントルイスに引っ越し、その後ニューヨークへ。チック・コリアとのトリオで頭角を現し、1998年にアルバムデビュー。イスラエルに戻って活動を続けています。2024年新作は昨年からツアーを回っている若い才能、ロニ・カスピDr.とガイ・モスコビッチPを中心とした意欲作です。

ジンジャーのオーナーさんも今週noteに書かれていましたが、注目は若き女性ドラマー、ロニ・カスピです。記事のYouTubeで初めて観ましたが、おっしゃるとおり“叩きかた”がいいんです。もちろんジャズドラムは押さえているのですが、きっとヒップホップもロックも聴いているはず。特に左手のスネア(の中央)とリム(枠の部分)を同時に叩くオープンリムショットはとてもいい音を出していてこだわりを感じます。ベテランのアヴィシャイが惚れ込んだだけあるミュージシャンだなと思います。

全般にアヴィシャイのベースがいい音していて気持ちがよいです。たとえば4.The Ever And Ever Evolving Etude での彼のベースを始め3人のプレイは息を呑む演奏で素晴らしい。そしてロニのドラムスが際立つ7.Roni's Swing を。キレの良いスイングが堪能できます。スタンダードの10.Summertime だってシングルヒットしそうなカッコいいアレンジ。バランス感覚に優れたピアノのうしろでロニさんビシバシ決めています。ちゃんとベースが響く音量で鳴らしてください。もう1回頭から聴こうってなりますきっと。

2024-11-26

オーディオケーブル試聴会

 

先週、御茶ノ水のオーディオユニオンで開かれたイベントに行ってきました。BJ Electric社製オーディオケーブルの紹介ということで、総販売元でもあり日頃オーディオについていろいろ教えていただいているBEAT&VOICEの堀部さんによるトーク&試聴イベントでした。

アンプやCDプレイヤーは背面という珍しいプレゼン

我が家のオーディオでもアンプやCDプレーヤーのRCA、XLR、デジタル同軸各種ケーブルからPCをつなぐUSBケーブル、そしてスピーカーケーブルもBJ Electric社製です。ノイズ対策がしっかりなされて、かつ余計な色付けがまったく無い。しっかりと音源の音を伝えてくれている感じがします。オーディオグレードにもかかわらずリーズナブルな価格(2〜3万円台)で購入できるので少しずつ買い足すことができました。

もうこれでケーブルについては悩むことはない、と思っていたら今回「KAMシリーズ」の音を聴いてしまった。より音が鮮明に、空間を拡げてみせてくれます。手持ちの機器のグレードを一段上げてくれちゃう感じです。それもそのはず1セット20万円くらいしますので。オーディオの魔界にはもっとお高いケーブルはゴロゴロありますし、実際に買う人がいるわけなんですが...。まあ今回は存在を知ったということまでにしておきます。

以前、BJ Electric社の石河社長ともお会いして音づくりの思いもお聞きして、パワーアンプも導入しています。片手で持てる小型アンプでありながら、それまでに聴いたことがなかったガツンとした音を聴かせてくれています。小さな工房で、材料を吟味して、ひとつひとつ丁寧に作られている、実直な姿勢がアンプやケーブルの伝える音にも現れているんだと思います。

2024-11-22

I Hear Echoes / George Cables

 

George Cables(ジョージ・ケーブルス)はアメリカのジャズピアノ奏者。ソニー・ロリンズ、デクスター・ゴードン、アート・ペッパーといったジャズサックス巨匠たちとも共演しているレジェンドです。2024年の本作はピアノトリオで、御年80歳とは思えない演奏をニューヨークにてライヴ録音したものです。

しばらく聴いていなかったピアノトリオでしたが、note仲間の投稿を読んで、ハンク・ジョーンズはThe Great Jazz Trioの数作(トニー・ウィリアムスやエルヴィン・ジョーンズがDrのもの)を聴きなおしては「やっぱりいいなぁ」となっていました。そんなところにこの新作アルバムを見つけて、演奏や音質のよさにリピートすることになりました。

1.Echo of a Scream が勢いよく始まり、一瞬どこの若手の演奏かと思うくらいでした。マイルスの3.So Near, So Far も若々しい演奏。でもドヤ感はなく落ち着いた雰囲気。リラックスして演奏を聴くことができます。彼のもうひとつの持ち味はまるで歌うように弾くこと。7.Like a Lover や9.Blue Nights といったポップな曲では、ライヴで楽しそうに弾く姿が目に浮かびます。

2024-11-19

リコメンド会@ginger.tokyo

 

週末は、清澄白河の音楽好きが集まるカフェginger.tokyo」にて、参加者が好きな音源を持ち寄るリコメンド会が開かれ参加してきました。オーナーさんのおかげもあって徐々に常連さんにも受け入れていただき、毎回楽しませてもらっています。

それにしてもみなさん心から、実体験から“好き”と思った音源を披露されていて、解説を話すマイクを握りしめながら楽しそう。だから推薦する曲がその人なりというか個性的。様々なジャンルや年代の曲を聴くことができて、ジンジャーならではだなぁと思いました。

僕は以前ジャズクラブをやっていたので今回はジャズを紹介。今月11月に91歳で亡くなったクインシー・ジョーンズが21歳のときに編曲したヘレン・メリルの「You'd Be So Nice To Come Home To」を。1954年(70年前)の録音でモノラルながら素晴らしいヴォーカルが聴けます。ヘレンは当時24歳にしてこの成熟ぶり。途中の宝石のようなトランペットソロを聴かせるクリフォード・ブラウンも24歳の名演です。


評価絶頂にあったクリフォードは1年半後くらいに自動車事故で25歳の若さで亡くなってしまいます。ちなみに親日家であられるヘレンはいま95歳でご存命です。

もう1曲は、そのクリフォードと一糸乱れぬテーマを演奏する、今月11月に98歳で亡くなったルー・ドナルドソンAsの名演が聴けるアート・ブレイキーの「A Night at Birdland Vol.1」から「Quicksilver」を。


ジャズクラブではオーディエンスにこんな熱い演奏を聴かせることができたらと思っていました。そして、もうひとりこの11月に99歳で亡くなったジャズドラマーの巨匠ロイ・ヘインズについては次回12月のジンジャーにて“リベンジ”したいと思っています。

2024-11-15

We See / Steve Davis

 

Steve Davis(スティーヴ・デイヴィス)はアメリカNYのトロンボーン奏者。SMOKEのクラブ25周年、SMOKE Sessions Recordsの10周年記念盤とのことで、2024年の本作は嬉しいライヴ録音になっています。エディ・ヘンダーソンTp、ラルフ・ムーアTs、リニー・ロスネスP、エシエット・エシエットB、ルイス・ナッシュDrの三管セクステット。これまた大好きなハードバップを繰り広げています。

それにしても今月はジャズ界巨匠の訃報が相次ぎ、クインシー・ジョーンズ、ルー・ドナルドソン、ロイ・ヘインズといずれも90歳代で亡くなっています。彼らが20代そこらの時代に築いた音楽がこうして今現在もニューヨークの街角で元気に演奏されていることに驚きと嬉しさを感じます。ジャズクラブがこうした熱気を失わないで続いていくことを願っています。

マイルスの1.Milestones から「イイねぇ」となります。演奏がシャキッとして爽やか、元気が出ます。拍をずらして入ってくるトランペット、ニヤリです。すかさずスティーヴのトロンボーンのソロが暖かい音色なんです。モンクの3.We See もクラブで聴いてみたい曲です。きっと楽しい。締めのマイルス7.All Blues もオリジナルに近い演奏で観客の笑顔が目に浮かぶよう。ライヴでもSMOKE高音質録音なので、部屋をジャズクラブにして秋の夜を楽しみましょう。

2024-11-12

出張とレコ屋めぐり

 

このところ遠方への出張が相次ぎました。地元の美味しい食をいただくのも楽しみでしたが、今回は中古レコード(CD)屋を見て回ることも楽しみに加えました。事前にGoogle Mapに保存しておいて、駅に着いたら近いのはどこかなと探します。レコード復活の現在、外国人のお客がおそらく数時間物色(仕入れ?)していました。来日の目的がこれなんでしょう。

広島GROOVIN'

高松ROOTS RECORDS

その昔、どこに行くにしても立ち寄るのはCDショップだった時代がありましたが、ネットで購入するようになった頃から行かなくなり、サブスクが始まって追い打ちをかけました。しかし久しぶりにこうしてショップ巡りをすると楽しさが蘇ってくるような。時間を忘れてパタパタ、引っ張り出ししていました。掘り出し物は無いかなと店内をあちこち。

僕もApple MusicやQobuzとサブスクで聴くことが多くなっていますが、買ったCDを持ち帰ってプレイヤーにかけるまでの時間が楽しいですね。中身を知っていたとしても、です。サブスクは探し当てたらクリックですぐ聴けちゃうので、そのワクワク時間がない。ジャケットを眺めたりブックレットに目を通しながら、結局アルバム1枚を聴き終えるのがレコードやCDなのに対し、サブスクではそれがない。

レコードやCDはプレイヤーに載せるたび、ちょっとしたワクワク感を短時間でも味わうことが喜びのひとつであるわけです。だからCD棚を捨てるわけにはいかない。“サブスクに全部あるんだからいいんじゃないの”に対抗する言い訳ですが。

2024-11-08

Fly / Michael Mayo

 

Michael Mayo(マイケル・マヨ)はアメリカのヴォーカリスト、作曲家。両親もプロのミュージシャンで、自身も学士号を取得したあとハービー・ハンコックに師事したこともあるそう。2021年にデビューし、2024年の本作は2作目。ハービーのツアーに参加したり、本作でも共演しているネイト・スミスDr.の複数のアルバムにも参加しているとのこと。

男性ジャズヴォーカルというよりもスティーヴィー・ワンダーのような曲作りに近いという印象を受けました。優しい歌声とスキャットでヴォーカルをあたかも楽器として演奏しているスタイルからボビー・マクファーリンの影響も感じることができます。かといって懐古なわけではなく、サウンドは若いリスナーにも響くのではという斬新なアレンジがなされています。

例えば3.I Wish のように曲調やメロディはジャズなのだけれど、全体から受ける印象は柔らかなポップ性をまとっているのが彼のスタイルなのかなと思います。ヴォーカル多重録音を聴かせる6.I Didn't Know What Time It Was は見事なハーモニーでとろけます。嬉しいのはマイルス10.Four やウェイン・ショーター11.Speak No Evil のヴォーカルアレンジでとても洒落ています。全体的にジェントルで落ち着いた印象ですが、寒くなってきた秋に心をあたためてくれそうなアルバムになっています。

2024-11-05

音楽配信「Qobuz」おためし

 

ハイレゾストリーミングサービス「Qobuz(コバズ)」が10月下旬にやっとスタートしました。Apple MusicやAmazon Music Unlimited、ハイレゾはないがSpotifyと同様の音楽配信プラットフォームです。フランス発で随分前からやっていますが、日本ではe-onkyo musicのサービスを継承するかたちで準備していたとのこと。

1年くらい前に“始まる”と聞いてから、もう忘れ去るかと思われたところでした。僕自身いくつものサービスローンチに関わってきたので、その苦労度合いは推測できます。“こういうとき、どうすんの?”というイレギュラーケースも膨大。対応できないとすぐに酷評されて市場から撤退なんてことになりかねない。あー大変。

聴くのに必要なのは、PCやスマホ→DAC→アンプ→スピーカー(ヘッドホン)。一般的にはQobuzアプリをPCやスマホにインストールして(Webブラウザも可)、つまり他のサービスと同様です。オーディオファンはRoonAudirvānaといった音質に定評のあるソフトやネットワークプレーヤーのソフトを介して聴くことを期待でしょうけど、僕は未経験です。

ハイレゾ音源(24/96)を再生してみた

僕はe-onkyo music会員でいくつかダウンロード購入履歴があったので移行手続きしました。するとクラウドにあるハイレゾ音源ファイルを再生できるようになっていたので、サブスク契約する前に音質チェックを兼ねて“お試し”。

普段はApple Musicをファミリー利用しています。比較すると“粒立ち”がいい気がする。高域の拡がりは同等かもしれないけれど、スピーカーで聴くと低域は少し沈み込みが深いような。うん、なかなかいい音です。どこかの記事でも見ましたが、Appleはどんな視聴環境でもそれなりに“いい音”を感じさせてくれるのに対し、Qobuzはオーディオ環境を整えるとそれに比例して“いい音”を奏でるのではと期待させる印象です。

僕個人としてはヘッドホンで聴き比べしたときよりもスピーカーで鳴らしたときに印象の違いを感じました。もちろん楽曲によって違いはあるでしょうし、なんだ同じじゃんと思う音源もあるでしょう。AppleやAmazonのそれは、空間オーディオの楽しみもありますからやっぱりいらないかなと思う人も多いかと。

細かい話ですが、Appleの場合はDACの表示が「Audio MIDI設定」でのフォーマット固定(例えば192kHz)だったのに対し、Qobuzは楽曲ごとに表示が変わります(96kHzや88.2kHzなど)。これってAppleが「中で何やっているかわからない」状態だったのが、Qobuzはちゃんと曲毎に合わせてDACに送ってますよ的な安心感につながりました。

楽曲のメタデータ(参加ミュージシャンやプロデューサー、レーベル、アルバム解説など)も挑戦が見られてちょっと好感。音楽やオーディオに関する「マガジン」にもそういった姿勢がうかがえます。これならサブスク契約しようかなと、応援しておくかなと思うレベルでした。

ちなみに1アカウント年間契約で15,360円(月額換算1,280円)または月額1,480円です。さて、レコードやCDも持っているはずの比較的ディープな音楽好きが、サブスクを聴く時間を割けるかどうか。断捨離を決め込んだ元オーディオファンが「もうこれで充分」となるかどうか。もしくは高音質コンテンツ好きの若年層をどう取り込めるか。これからですね。

2024-11-01

Little Big III / Aaron Parks

 

Aaron Parks(アーロン・パークス)はアメリカのジャズピアニスト。ケニー・バロンPに師事していたこともあるそう。2024年本作は41歳でありながらリーダー作として15作目。ブルーノートからリリースしています。客演経験も豊富で、僕自身何度も耳にしているピアノです。

ジョシュア・レッドマンSaxらと一緒に演った「James Farm」でも印象的なメロディセンスを聴かせてくれていました。ジャズだけでなく、フォークや民族音楽、ロック、カントリーなど様々な音楽を取り込んだインストミュージックといった印象です。個人的にはライル・メイズ&メセニーやキース・ジャレットの演奏から感じるものと通じるところがあると思います。

アーロンらしい叙情的なピアノだなと思うのは3.Heart Stories 。美しい曲だなと。4.Sports のメロディなんてちょっと懐かしいような。グレッグ・テューイGの音も印象的です。6.The Machines Say No ではJKキムのたたみかけるドラムスが聴けます。アーロンのリーダー作ではありますが、全体としてはバンドサウンドを重視しているようです。秋空に合うサウンドが詰まったアルバム。散歩のお供にしようと思います。

2024-10-29

「クイーンⅠ」(2024 Mix)聴きました

 

クイーンのデビューアルバムが「クイーンⅠ」として2024年最新リミックス&リマスターがリリースされました。メンバーが望む音と曲順を実現させたとのこと。特に以前のドラムスの音が「ボスッ、ボスッ」って感じだったので「なんでこんな音で録っちゃったんでしょうね」なんて言っていました。今回はまさにロジャー・テイラーの音。フロアタムが低音まで鳴り響きます。

僕は大学時代および社会人になっても、大学の先輩でもある“日本のロジャー・テイラー”(現QUEERのDr.=ロジャー M.T.、シンコーミュージックからロジャー・テイラーのムック本を2冊出版)と一緒にバンドを演ることがほとんどだったので、自ずとクイーンを聴く機会も多かったのです。

1曲目のKeep Yourself Alive のギターは大昔コピー(多重録音はやっていませんが)したので何度も聴きました。2.Doing All Right はスマイル時代の音源を含めて好きですし、ブライアンのギターとしては、3.Great King Rat や7.The Night Comes Down のイントロも大好きです。後期にはない陰影のあるサウンドがいいです。

そして2024年作は、さすがに聴き慣れた音と違って、ちょっとマッチョになった感がありますが、オーディオ的にはダイナミックレンジ広く気持ちよく鳴ってくれています。Apple MusicのDolby Atmosを5.1chサラウンドスピーカーで鳴らすと、コーラスやギターやディレイやエコーが部屋じゅうに拡がって、彼らの緻密で奇想天外なアレンジに再度驚くことになるかと思います。

2024-10-25

Portrait / Samara Joy

 

Samara Joy(サマラ・ジョイ)はアメリカのジャズ歌手。2021年にデビューし、2022年アルバム「Linger Awhile」で一躍有名になりました。2023年にはグラミー賞で最優秀ジャズヴォーカルアルバムと最優秀新人賞を受賞。当時ジャズ関係では数多く目にしていたので、みんな聴いているからいいかなと思いブログに書きませんでした。

2024年本作は3作目。24歳とは思えない本格的なジャズ歌ものです。2019年にサラ・ヴォーン国際ジャズ・ボーカル・コンペティションで優勝とのことで、まさにサラを彷彿とさせる歌いっぷり。有名になったアルバムのあとで売れ線を狙うかと思いきや、ぐっとジャズ魂を深めてきたのが気に入っています。

多くの管楽器をバックに優雅に始まる1.You Stepped Out Of A Dream はジャズ伝統の雰囲気。2.Reincarnation Of A Lovebird の独唱を聴けば並外れた才能であることがわかります。誰もが知るボサノヴァ名曲「想いあふれて/Chega de Saudade」の6.No More Blues を彼女がどう歌うかお試しあれ。高低強弱を駆使して、スキャットも入れて細やかな感情の起伏をヴォーカルで表現。聴いているうちに、気持ちが優しくほぐされていくようです。

2024-10-22

「危機」のBlu-ray Audio盤

 

プログレの名盤、イエス「Close to the Edge(危機)」のBlu-ray Audio盤を聴きました。

・2013 Stereo Mix(24bit/96kHz)
・2013 5.1 PCM(24bit/96kHz)
・2013 5.1 DTS-HD(24bit/48kHz)
・Original Stereo Mix (マスターのFlat Transfer、24bit/192kHz) 
・UKオリジナル・アナログ音源Transfer(24bit/96kHz )ほかにもいろいろ...

紙ジャケ、ちょっと作りが雑な輸入盤

あるロックバーで聴いたアナログ盤「こわれもの」の音が衝撃的で、腹の底からグイグイくるベース音とか空間に飛び散るギター&キーボードが記憶に残っていて、それに近いものを求めているところがあります。「危機」はそれほど鮮烈な音ではなかったこともあり、聴く回数は少なかったかも。

さてBlu-ray Audioはいかに。期待したのは“Original Stereo Mix(24bit/192kHz) ”です。192ですからもしや...と思ったのですが、「こわれもの」体験ほどではありませんでした。まぁ違うアルバムですから。でも各楽器の音がくっきりした印象です。

ではスティーヴン・ウィルソン2013ミックス&サラウンドに期待。というのはほかのアルバムでDVD-Audioの“音の太さ”を体験していたので、Blu-ray Audioもいいんじゃないかと。元の音源にもよるのかもしれないですが、DVD-Audioほどではないにせよ、サブウーファーのおかげもありぐっと重心が下がります。サラウンドの音の拡がりはスゴい。パイプオルガンが部屋じゅうに鳴り響き、「これぞ危機!プログレ!」となりました。

さすが容量の多いBlu-ray。ハイレゾ満載かつ特典音源も多くて楽しい。んー、でもアナログ盤の“太い”というのとは違うんですけどね。

2024-10-18

Better Angels / Peter Bernstein

 

ニューヨークのPeter Bernstein(ピーター・バーンスタイン)Gの2024年リーダー作。得意のSMOKE Sessionsから。ブラッド・メルドーP、ヴィセンテ・アーチャーB、アル・フォスターDrを従えてのオールスター・ギターカルテット。メンバーからして間違いないです。

僕はこの人の粒立ちのよいギター・トーンが好きなんです。グラント・グリーン、ケニー・バレル、ジム・ホールといったバップ&ブルージーな名手たちの系譜といいますか。1音1音しっかりと聴かせてフレーズを楽しませてくれるサウンドです。メロディやソロを単音フレーズを弾いて〜和音でつないでっていうのは出来そうで出来ない、ジャズギタリストならではのテクニックです。憧れます。

軽快な2.Ditty for Dewey はスイング感を保ちながら、一筋縄ではいかない和音感を楽しめる曲。やっぱりメルドーの独特ピアノから触発されているかな。タイトル曲5.Better Angels もシンプルなメロディなのに何か独特でバップ的です。ピーターのソロ8.Lament ではギターのサウンドを存分に味わえます。新譜でこういうジャズギターを聴くことが少なくなった今、貴重な存在なのではないかと。ほかのジャズスタンダード曲も洒落た素敵な演奏です。

2024-10-15

ヘッドホンを首にかけて

 

誕生日プレゼントの前倒しということで、娘にヘッドホンを買いました。ソニーのWH-CH720N。ソニー史上最軽量のワイヤレスノイキャンヘッドホンのことで、15,000円しないくらいでした。ネットで見てJBLとかオーディオテクニカとか候補にあったのですが、娘いわく「お店に見に行きたい」とのことで実際に手に取ってかけてみて、この機種に決めました。

いまのヘッドホン売り場って、音楽聴かないんですね。聴くことができる機種もあるんですが、この価格帯のものはヘッドホンをかけても音楽は鳴っていない or 鳴らし方がわからないようでした。音質は比較しなくていいのか...。

必要なのは「鏡」です。かけた感じがどう見えるか。“ちょっと横に出っ張っている”“洋服や帽子に合わせやすい、にくい”“首にかけたときどうか”あたりがポイントです。加えてかけ心地。長い時間かけていて疲れないかとか。

学校や塾の自習時間にヘッドホンをしている人は結構いるとのこと。電車に乗っていてもイヤホンではなくてヘッドホンをしている若者が多くなった気がします。娘は電車時はノイキャンの効きがいいのでイヤホンだそうです。それ以外は耳の中がムレないヘッドホンかなと。集中したいときは音楽もなにも流していないらしい。

密閉型だオープン型だ、やっぱり有線でヘッドフォンアンプにっていうのとは別の話ですね。まぁそんなんでも音楽を聴く機会が増えてくれればいいかな。ただでさえスマホの他のコンテンツに奪われがちなスキマ時間ですから。

2024-10-11

three of us are from Houston and Reuben is not / Walter Smith III

 

Walter Smith III(ウォルター・スミス3世)は、アメリカのサックス奏者。昨年の「return to casual」に続いて2024年本作はブルーノート2作目。同じくヒューストン出身のジェイソン・モランPとエリック・ハーランドDrの3人とヴァージン諸島出身のリューベン・ロジャースBという、そのまんまのタイトルを付けています。1曲を除いて彼のオリジナル曲だそう。

これぞ最先端のジャズというか、譜面とかどうなってんのという演奏です。かといってフリーでもない。「あーハイハイ...」とか言いながら演奏できるんでしょうから、バンドメンバーのジャズ脳は計り知れないなと思います。しかも難しい演奏であるにもかかわらず、曲全体を聴くとそれを感じさせないという、まさにプロがなせる技です。

1.seesaw をなぞるように聴いてみると、曲全体はうねるように強弱を付けつつ進行しているように思います。3.24 なんて各楽器で軽く会話しているようです。フレーズにフレーズで応える感じ。ジャズって自由だなーと。そのうえ4.Misanthrope's Hymn のような少しメランコリックな曲を流れるような演奏で聴かせてくれます。まぁ難しい顔せずに曲全体に浸ってみるのがいいのかなと思います。僕の好きなエリック・ハーランドのドラムスも相変わらずカッコいいです。

2024-10-08

デヴィッド・ギルモアのギター

 

先月“ジンジャー”にてnote仲間の方々と集まったときに、好きなギタリストにデヴィッド・ギルモアが挙がりました。その際オーナーがかけていた映像がカッコよくて見入ってしまいました。

実は最近やっとデヴィッド・ギルモアのギターの良さがわかるようになったんです。ギターキッズとしては音数は少ないし演奏は長いしテクニカルに感じなかったわけです。中学生の頃通っていた寺子屋のような塾に、なぜか見目麗しいオーディオが置いてあり、そこでピンク・フロイドを聴けといくつか聴いたのですが、なんともピンとこない。その印象が続いてしまいました。

黒いストラトキャスターに白いピックアップ、メイプルネック。ストラト弾きの僕としてじっくり耳を傾けるとこれがなんともシングルコイルらしい素晴らしい音。深めのディレイ&エコーもあって音色とフレーズが沁みるように伝わってきます。そうしてピンク・フロイドもギルモア中心な後期を聴くと、演奏も音質も痺れるほどいいです。

聴いていて、自分の中で鳴っている音がありました。ポール・マッカートニーの「No More Lonely Nights」のギターソロです。何度も聴いたこの印象的なギター。そうかギルモアだったか。

会話がきっかけとなり“知っていたけれどあまり聴かなかった”ミュージシャンを再発見できるのは音楽好きにとって楽しいことのひとつです。

2024-10-04

Lifescape / Taka Nawashiro

 

Taka Nawashiro(苗代尚寛)は日本のギタリスト、作曲家。医者になる道もあったそうですが、2017年にニューヨークの大学にてプロを目指し卒業時にはJohn Coltrane Awardを受賞するなど才能に恵まれたミュージシャンです。今は東京を拠点に、2024年本作でも日本を代表するジャズミュージシャンの馬場智章Saxや石若駿Drが参加しての作品となっています。

ジャケット写真のギターは、スペインのSoulezza Guitars(ソウレッツァ・ギター)というヘッドレスギターだそうです。彼のギターの音色はこのコンパクトボディから、歌うように滑らかな表情をみせる個性的なヴォイスが生まれているんだなと思います。フレージングも気持ちよい風のような印象を受けました。

1.WindBeast から複雑なリズムでありながら全くそれを感じさせない曲で、作曲家としての持ち味も感じました。2.Promise of 60 は女性ヴォイスも参加してスリリングな曲。キレのあるドラムソロプレイが光ります。表題曲8.Lifescape は静かでありながら彼のギタリストとしての味わいを感じることができる作品。ニューヨークと東京をまたいで、新しい創作のあり方やコラボレーションを実現した新世代のアルバムだと思います。

2024-10-01

音楽好きが集まるお店

 

東京のイーストサイド、江東区の清澄白河にあるカフェ「ginger.tokyo」はポークジンジャーやバターチキンカレー、タコライスが美味しいお店でありますが、なんと7インチ盤を中心にアナログレコードも販売されています。

オーナーはとても親切な方で、もちろん音楽については詳しいどころじゃない。「note」への投稿を読んでみれば、その幅広さ奥深さにますます興味津々となっておりました。お店主催のイベントではたとえば「80年代特集」と題して、オーナーが映像とGoodサウンドでDJ。音楽好き仲間がワイワイ、僕も時間を忘れて楽しみました。

そしてなんと“ジンジャー”には、noteに投稿する音楽好きツワモノたちが集まっているとお聞きしてお店に行ってみると、まあ皆さんオープンでフランクで、ほんとに音楽が好きでたまらない方々で、こっちが嬉しくなってしまいました。仲間に入れていただき、いまや月イチ定例になるくらい楽しみなオフ会になりました。

ここで知り合ったnote仲間の方々の投稿を読んでは聴いて、CD棚の前に立って、サブスクでもDigって。いままで聴いていなかった音楽や知っているけれどちゃんと聴いていない曲を聴く機会が増えました。お店でアナログレコードの音の良さも再発見したりして、レコードプレイヤーを検索してしまうというのもあります...。

2024-09-27

50 / Herb Alpert

 

Herb Alpert(ハーブ・アルパート)はアメリカのトランペッター&音楽プロデューサー。御年89歳。A&Mレコード創業者で“A”は彼の名前から。“ヴォーカル曲とインストゥルメンタル曲の両方で、ビルボード誌全米シングル・チャートNo.1を獲得した唯一の人物”だそうです。2024年新作は通算50作目、奥様との結婚50年アニバーサリーでこの題名に。

僕の世代にとっては、なんといっても「オールナイトニッポン」のテーマ曲「Bittersweet Samba」の人です。新作を聴くと深めのエコーのトランペットが、やはりなんとも昭和郷愁を感じさせて、ほんわか&ウキウキします。この感じを出せるのは彼しかいないのではと思うとオリジナリティに満ちた人だなと感じます。

2.Sh-Boom はドゥーワップ・クラシックだそうですが、これまたラジオ番組が始まりそうです。すごくいい感じ。3.Are You Lonesome Tonight? はプレスリーの曲。泣かせます。これ聴いて夕日を見たらたまりません。4.Baubles, Bangles And Beads も有名曲とのことですが軽快で小躍りしたくなるアレンジ。一貫性がありながら、飽きることのない音作りで楽しませてくれるアルバムです。

2024-09-24

「趣味は?」って聞かないらしい

 

YouTubeで「【解説】驚きの報道!趣味「音楽鑑賞」が絶滅寸前!?」なるタイトルが目に入り見てしまいました。詳細はリンクから動画を見てていただくとして、女子高生の親として「言えているなぁ」と思う部分がありました。

若者(に限った話ではないかも)は「趣味は?」と聞かれて「音楽鑑賞」と答えない傾向であると。音楽を友達と話すことはない、年長者に「何聴いている?」と聞かれて答えると「なにそれ?」って言われたりして面倒くさい、サブスク有料は月1000円もかかると。コミュニケーションツールにならないし、コスパ悪い、んだそうです。

初対面で「趣味は?」と聞かれることもほとんどない世の中だそうですが、勝手に“こんな人”とイメージ付けされるリスクを嫌がるのかもしれません。「そんなの聴いているの?」はNGワードです。これもコスパにつながる話ですが。

一方で、「特定のアーティストは聴く」んです。つまり“推し”ですね。それを積極的に人に言うかというとそうでもない。これは個人的意見ですが、そのアーティストのライヴに行くとファンだけが集まるので、大袈裟に言うと価値観が合った人と会えてうれしい、的なことはあるのかなと思います。

娘の話から友達と音楽の話で盛り上がった話は聞いたことないですし、自分がイヤホンで聴いている音楽を人に話したような感じはありません。たぶん趣味は?と聞かれて“音楽”とは言わないでしょう。かといって、オタクなほど探求しているものはあるんです。でも友達に言うわけではない。

若者の全員が全員そういうわけではないですし、音楽ビジネス市場規模は伸びているのだからこれでいいのではとも思います。娘の世代がどんな傾向にあるのかは知ったうえで、オジサンの考えを若者に押し付けることなく、僕は僕で我が道を行く、というのが答えのようです。


2024-09-20

Alone / Wayne Escoffery

 

Wayne Escoffery(ウェイン・エスコフェリー)の2024年新作も、SMOKE Sessionsから。僕のブログでは2度目の登場です。ニューヨークのテナーサックス奏者。ジェラルド・クレイトンP、ロン・カーターB、カール・アレンDrのワンホーンカルテットです。なんでも休暇中に指を骨折したりして孤独な時間を過ごしているうちに構想したアルバムだそうです。

夜にひとりで聴くにふさわしい、内省的で哀愁ただようサックスです。手数も少なめで音色がしっかりと伝わってきます。個人的にはデクスター・ゴードン(僕が所有している数枚のアルバムは2曲目がいつもバラード)を思わせるバラード集です。

1.Moments with You 1曲目からソファに身を預けてゆったりモードです。あぁいい時間が始まったなと。ピアノの音の美しさが光る4.The Ice Queen はウェインの個性的なオリジナル。心の移り変わりを味わいます。映画「いそしぎ」の5.The Shadow of Your Smile も深いアレンジ。ゆっくりと語りかけるようなサックスに酔いしれます。SMOKEの高音質録音をハイレゾで堪能できます。

2024-09-17

「ローレル・キャニオン」を観て

 

Amazonプライムビデオで「ローレル・キャニオン 夢のウェストコースト・ロック」を観ました。ほかにもクロスビー、スティルス、ナッシュ(&ヤング)やリンダ・ロンシュタットのドキュメンタリーも観ました。ママス&パパス、バッファロー・スプリングフィールド、ザ・バーズ、ザ・ドアーズ、ジョニ・ミッチェル、ジャクソン・ブラウン、イーグルスといったアメリカンフォーク〜ロックの面々が登場。

僕は80年代が高校大学でしたから、当時ここらへんはほとんど聴いていませんでした。ヒッピーとかサイケとか言っても思い浮かぶのはジミヘンくらいで、聴くのはアメリカよりもイギリス方面ばかりだったと思います。

65年〜75年くらいの洋楽なので、10歳〜15歳くらい年上の先輩方は知っていて当然の音楽かもしれません。ところが僕自身1年前にボニー・レイットを気に入ってから周辺に興味が湧いたのでした。

ロサンゼルスのローレル・キャニオンという地域にミュージシャンたちが集まる自然発生的なコミュニティ。彼らの交流が新たな楽曲を生み、やがて大ヒットに。そして事件や精神的支柱だったママス〜のキャスの死などで終わっていく。

音楽が手元にあって、楽曲や歌声の良さを純粋に競っていた時代。CSNのハーモニーやジョニ・ミッチェルの歌声は宝石のようでもあります。そして同時にレコード会社の短期的収益やマーケティングの雲が覆い始めてきた頃なんだと思います。

ジミヘンといえばの、当時のモンタレーやウッドストックといったロックフェスで、大音量化〜スタジアムロック、ギターが延々とソロを弾くあたりで、やっと僕が聴いてきたものにつながります。イーグルスのライヴでステージからリンダ・ロンシュタットが去っていく姿が印象的でした。

“ホテル・カリフォルニア”の哀愁感もピンと来なかったくらい知らなかった時期ですが、少しわかったような気がしました。

2024-09-13

ELECTRIC RIDER / 馬場智章

 

馬場智章(ばばともあき)は日本のサックス奏者。バークリー音楽大学卒業後、ニューヨークを拠点に活動。2023年のアニメ映画「BLUE GIANT」で主人公のサックス演奏を担当していたので知っている人もいると思います。2024年本作は通算3作目で全曲オリジナルのメジャーデビュー作となります。

僕が好きなトランペット黒田卓也さんとのバンド“J-Squad”がカッコよかったこともあり注目していました。今回のアルバムもどこか通じるものがあると思いますが、キーボードのBIGYUKIさんとの共同プロデュースもあって、かなりエレクトリックに振っています。僕自身テクノやエレクトロミュージックをよく聴いていた時期があるので、こうしたサウンドに高揚するところがあります。

まずは象徴的な1.PRIME を聴いてみてください。ジャズというよりも「新しい音楽」の勢い満々です。2.Season of Harvest は黒田さんっぽさがあるファンキーな曲で好きな音です。4.Fade into you は馬場さんのサックスをじっくり堪能できるスローな曲。世界に向けたクオリティをもったミュージシャンが日本にもまだまだいるんだと感じさせてくれる作品です。

2024-09-10

MacのApple Music不具合

 

表題とは関係ないですがAppleの新製品発表がありました。AirPods関連で単体ハイレゾ対応とか予想していたのですが、ちょっとした機能向上やカラバリくらいで個人的には期待外れでした。

先週のある日、MacのApple Musicでバンド名を検索しようとしたら、いつもなら検索画面にいろんなジャンルの画像が表示されているのが、あれ?表示されていない...。バンド名を検索窓に入力しても結果が出てこない状態になりました。ちなみにこのMacは音楽専用機。極力ほかのアプリは使っていません。

「今すぐ聞く(ホーム)」、「見つける」や「ラジオ」のボタンを押しても、何も表示されない。なのにライブラリに入れた楽曲は普通に聴けます。クラウドとの接続は成立しているのでネットワークに問題なさそう。ちなみにiPhoneでのApple Musicアプリは問題なく動作しています。何度もGoogle検索して過去に同様の障害で多くの人が困っているのにどれも解決に至っていないようです。

Apple IDをサインアウト→サインイン、Macのログアウト→ログインもしたけれど回復しません。こりゃ、Macのアプリが壊れたかと思い切ってOSを再インストール。なのに問題解消せず。数時間かかって、もうあきらめ。今後はiPhoneで運用するしかないか、はぁ。

ところが2日ほど経って、Macを開けてみると、表示されているではないか。なんじゃと。原因わからずです。解決するには放置せよということなんでしょうか。Apple Musicあるあるなのかもしれません。

音楽再生もどんどんソフトウェア&クラウド頼りになっていくので、こうしたことには付き合っていくしかないのかもしれません。その点CDやレコードはシンプルでいいわ、と思ってしまいました。

2024-09-06

Let's Walk / Madeleine Peyroux

 

Madeleine Peyroux(マデリン・ペルー)はアメリカのシンガーソングライター。パリに移住してストリートミュージシャンをやっていたこともある。2024年本作は6年ぶりの10作目。ジャズをはじめ様々なジャンルの曲を彼女なりのアレンジで歌うことも多かったが、今回は全曲オリジナル。

これもジャズなのね、とノラ・ジョーンズのように言われそうですが、ルーツのひとつにジャズがあるということかな。様々な音楽から着想を得てアレンジしていくことで楽曲そのものの楽しさを味わうのがジャズとも思います。そして何より彼女の曲は楽しい。我が家でも妻に好評。自然と口ずさむような印象的な曲が詰まっています。

タイトル曲3.Let's Walk なんてまさにポップでおしゃれな曲。暑くなければ散歩したい。5.Blues for Heaven や9.Showman Dan のようなブルース曲が僕のお気に入りです。バックの演奏も小粋でしっかりした演奏。オルガンやギターの音もいい。ほかの楽曲も様々な音楽を知るベテランならではの深みを感じさせつつ、気軽に聴けるいいアルバムです。

2024-09-03

ジャズしか聴けなかった

 

最近、これ聴いています」で今年発表のジャズアルバムを紹介していたり、ジャズクラブを運営していたとかなると、さぞジャズどっぷり人なのではと思われます。実はそんなに詳しくない...。

同記事は“note.com”というサイトにも転載。清澄白河のカフェGinger.tokyoで、noteに投稿するくらい音楽めっちゃ詳しい方々とお会いすることができたのですが、そこで「ジャズ以外も聴くんですね」なんて言われたりして。

昔、よく聴いていました」も書いていたので、HR/HM出身なのはバレバレですし、我ながら雑食だなと思い返しました。そしてやっぱりギターを弾いていたことは聴く音楽にも大きく影響していると思いました。大学時代、曲を作るために、先輩の家でいろいろな音楽を聴いたのもきっかけになったかな。XTCとかヴェルヴェットとかP-Funkとか。

社会人になって、仕事がいろいろキツくなってきた30代後半くらいから、ジャズしか耳に入らなくなってきたというのが本音です。もしくはダンスミュージックかインスト。はっきりしたコード進行でなく明るくも暗くもない、気持ちがニュートラルになるような音楽しか聴けなくなりました。そうこうするうちにいつの間にかジャズどっぷり人になっていた気がします。

でもやっと解放されて、いまは再び何でも聴くようになりました。だから音楽好きな人と話しをするのは本当に楽しい。投稿を読むのも楽しい。歳をとるのも悪くないなと思っています。

2024-08-30

And Then Again / Bill Charlap Trio

 

Bill Charlap(ビル・チャーラップ)はアメリカのジャズピアニスト。2024年本作はピーター・ワシントンB、ケニー・ワシントンDrとのトリオで、ニューヨークのヴィレッジヴァンガードでのライヴをブルーノートからリリース。1997年から続くレギュラートリオとのことでベテランの味わい深い演奏を聴くことができます。

ビル・チャーラップの作品はいずれもオーディオ的に優れていて、特にピアノの音には惚れ惚れします。本作を一聴したとき「ん、ボリュームちょっと小さい?」と思いましたが、途中のドラムスの音はしっかり出ていて、ベースも豊かな低音が鳴っています。これ、小さな音はより繊細に、大きな音はより際立って、つまりダイナミクスが大きいんですね。だから音量上げ気味で聴くといいかも。臨場感もぐっと上がります。

いかにもケニー・バロンの作品だという1.And Then Again はこのトリオらしく途中からエネルギッシュな展開。ヴィレッジヴァンガードの空気が伝わってくるようです。3.'Round Midnight のアレンジも小粋で大人な雰囲気。ガーシュインの7.The Man I Love も軽快に楽しい演奏。おだやかな秋が恋しくなるアルバムです。

2024-08-27

リスニングポイントの話

 

スピーカーで音楽を聴くときに、どの位置で聴いていますか?僕は音をしっかり聴くときは、オーディオセオリーどおりに正三角形の頂点?で聴いています。つまり左右のスピーカーの距離と等距離の真ん中で、ソファから少し乗り出した状態。するとヴォーカルは眼の前の真ん中に定位して、左右や場合によっては前後にも音場が拡がるのを楽しんでいます。

ただ、ずっとその姿勢で聴いていると疲れちゃうので、結局ソファ背もたれに寄りかかる。そうすると正三角形ではなく、二等辺三角形の頂点になります。ちょっと音楽を俯瞰して全体でゆったり聴くことができる。で、おっこれ何、となると乗り出す。そんなことを繰り返しながら聴いています。

でもちょっと思うのは、正三角形で聴くのはなんとなくヘッドフォン的。いろんな音を聴き逃すまいと聴くようなところがある気がしています。スタジオのコンソールの前みたいな。スピーカーは耳だけでなく体でも聴いているのが心地いいので、まあ違うわけですが。たまに、いろんなところに座ってスピーカーから鳴っている音を聴くのもよかったりします。

2024-08-23

Trio II: 2 / Marty Holoubek

 

Marty Holoubek(マーティ・ホロベック)はオーストラリア出身の東京在住のベーシスト&作曲家。NHK『ムジカ・ピッコリーノ』にレギュラーとして出演したりして多方面で活躍しています。そんな彼が信頼するミュージシャン、井上銘G、石若駿Drと組んだトリオ“Trio II”の2024年2作目。

僕もジャズクラブをやっていた頃に多数出演いただいた若手ジャズギタリストNo.1の井上銘さん。同じく若手ドラマーとして突出して活躍されている石若駿さん。このトリオでの演奏は数多のセッションで鍛え上げられた演奏能力と“日本の”では済まない世界に通じるオリジナリティサウンドを持った、まさに“今”の音楽が表現されています。

それにしてもスゴい演奏の7曲37分です。2.Uncle Izu を聴けば彼らがジャズにとどまらず、あらゆる音楽を吸収して演奏していることがわかるでしょう。井上銘さんのギターサウンド、刺激的でカッコいい。個人的にThe Durutti Columnを思い出した4.Maritta のギターも好き。6.Beki のリズム...こんなの石若駿さんしか叩けないでしょう。ドラムス炸裂していてスゴいです。マーティさん起点だからこそ生まれた傑作に感謝。

2024-08-20

「ストレンジャー・シングス」を観た

 

Netflixでドラマ「ストレンジャー・シングス」をシーズン4までハイペースで観ました。外はとにかく暑いのでエアコンの効いた部屋で、ネット動画配信はうってつけです。時間があるからもう1話観ちゃおうか、となるのがドラマの罠です。

アメリカのSFホラーで2016年に配信開始されたシリーズですが、1980年代の雰囲気プンプンでなかなか楽しいです。ショッピングモールやビデオレンタルショップもそうですが、なんと言ってもBGMに80年代ヒット曲やハードロックがかかって、ひとりノリノリになりました。

ラストには登場人物がギターを持ってメタリカ「Master of Puppets」を弾きますからオォーッて。映画全体を覆う雰囲気もどこかメタルチック。というかメタル愛、リスペクトを感じる作品だと思います。

完結すると言われているシーズン5も製作を開始しているそうなので、来年観られるかな。


2024-08-16

Epic Cool / Kirk Whalum

 

Kirk Whalum(カーク・ウェイラム)はアメリカのサックス奏者。今年6月にも「村上春樹 produce 村上JAM 〜フュージョンナイト」で来日されて、単独公演もされていたようです。ホイットニー・ヒューストン「オールウェイズ・ラヴ・ユー」でのサックスソロは誰もが耳にしたことのある名演奏だと思います。

2024年新作のこれぞスムースジャズまたはフュージョン。音質いいです。お気に入りのオーディオ&スピーカーでスカッと鳴らしてください。曲調も真夏にぴったりリゾート気分です。カークのサックスも歌うように奏でられて気持ちのよいこと。あーもうなにも考えなくていいやってなりますきっと。

1.Bah-De-Yah! から期待を裏切らないフュージョンぶり。リズムのツボをおさえたノリノリな曲で始まります。5.Through the Storm はその名の通りクワイエット・ストームな1曲でクールダウン。サックスが歌っています。8.MF はマーカス・フィニーのドラムスとおそらく息子のカイル・ウェイラムのリズム隊ビシバシのテクニック派大好き曲です。ハイレゾ24/96&Dolby Atmos対応音源です。