Gretchen Parlato(グレッチェン・パーラト)はアメリカのジャズヴォーカリスト。リオーネル・ルエケとの2023年作品「Lean In」でも取り上げました。彼女を知るきっかけとなったのが2013年のこのライヴCDです。DVDとセットになっていて映像でもニューヨークの小さめのハコでの演奏を楽しむことができます。ジャズクラブを経営していたときにこんな雰囲気を醸すことができたら素敵だなと思っていました。
参加メンバーとしてドラムスに旦那さんのマーク・ジュリアナとケンドリック・スコットの叩く姿を観られるのがうれしい。彼らが創造的で繊細なビートを刻むのかがよくわかります。音質もとても生々しくて近距離で叩いているかのよう。そこにグレッチェン独特の歌が繰り広げられて幻想的な世界を描いていきます。2013年当時のニューヨークを象徴するサウンドがそこにあると感じることができます。
ハービー・ハンコックの1.Butterfly でのグレッチェンのスキャットと手拍子ですぐに世界に惹き込まれ、そのあとずっと続きます。ベースやドラムスが入ってきてこの音が当時グラスパーを始め新しいジャズの音なんだと知ります。2.All That I Can Say ではケンドリックの重くて引っ掛かるリズムが印象的。シンプリー・レッドの5.Holding Back the Years では新しいジャズによるカヴァーになっていてイイ雰囲気です。そして幻想的でゆったりとしたオリジナル9.Better Than で本ステージ終演となります。
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