Branford Marsalis(ブランフォード・マルサリス)は、アメリカのサックス奏者。スティングの名曲「Englishman in New York」でのサックスプレイが最も有名でしょう。スティングがソロになってバンドを組んだ際の映画がとても好きで何度も観ました。ブランフォードの“どんな批判にも慣れているぜ”なんて言いながら見せたやんちゃな笑顔が印象的です。いまや弟のウイントン(トランペット奏者)とともにジャズ界のレジェンド的存在です。
2004年の本作は全編にわたり何回も聴いたので、彼のサックスフレーズを覚えて鼻歌してしまうほどです。バラード集ということで、ゆったりしていて一音一音に感情が深く込められた沁み入る演奏をたっぷり聴くことができます。仕事に疲れた日の夜に静かにこの音楽に浸るなんてことも多かったなぁ。何回も聴いたということはそういう日が多かったってことかなんて。そんなこのアルバムに出会えたのも幸せなことです。
ウェイン・ショーターの1.The Ruby and the Pearl でゆったりした時間は始まります。このソプラノサックスの優しい音といったら...。エンディングも素敵です。2.Reika's Loss のフレーズ後の余韻が素晴らしい。3.Gloomy Sunday では大きく波打つリズムに深い感情を乗せてきます。6.Muldoon は優しく包んでくれる美しいピアノとのデュエット曲。7.Eternal は静かに微笑んでいるような明日への曲と思って聴いていました。