僕にとっての「低音」。幼き日のクラシックコンサートでのティンパニとコントラバスのヒット。バンドでライヴや練習をしたときのバスドラのキック音。スタックのマーシャルアンプでボリュームを上げてエレキギターの6弦を刻む歪み音。某芝浦のディスコで改造した床から腹に伝わってくる音。数々のライヴたとえばフジロックのグリーンステージのど真ん前で浴びたPA音。ジャズクラブでのウッドベースの生音、そんな音の記憶が「体」に残っていると思います。
自宅のスピーカーやヘッドフォンで聴くときには、生そのものの音を再現するのは無理なので、聴いている音の延長線上にあの記憶の音をイメージできるかどうかを確かめているような気がします。
しかも単に低音が強調されていればいいのではなく、ミュージシャンの表現意図を感じられるかどうか。結果としてその低音が音楽の迫力や興奮に直結したところで「おおーこれこれ」ってなるわけです。
音の記憶は人それぞれ違うので、人によって低音の感じ方も違って当たり前です。もちろん低音だけでなくヴォーカルなどの中域や高音も求めている音は人それぞれなのでしょう。だからヘッドフォンもイヤフォンもあれだけ多品種なわけです。選ぶのが大変ですね。
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