2021-04-27

withデジタル時代の音楽ビジネス 〜アーティスト視点〜

音楽アーティストはCDやDVDの新譜リリースや新曲発表をきっかけに、テレビやラジオに出演し、雑誌にインタビューを掲載することでプロモーションし、ライブのチケットも買ってもらうという流れが一般的です。 新譜の予約がどれだけ入り、初動でどれだけ売れたかがその効果指標になります。

ユーザーとの接点がスマホありきになったことで、SNSアプリや動画サービス、音楽サブスクサービスが活動拠点になりました。結果としてCDが売れたりテレビに出たりすることがあっても、スマホでのユーザーとのつながりをまず先にやっておく必要があるわけです。

Instagram、TikTok、YouTubeはショート動画に力を入れて、そのサービス内の滞在時間を増やそうとしています。ユーザーは時間を忘れて次から次へと目を引く動画をチェックしていくからです。表示される動画はユーザー毎にまちまち(パーソナライズ)で「アルゴリズム」と呼ばれるコンピュータ計算によってコントロールされています。

Facebook、Twitter、Google検索結果も同様にそれぞれのサービスのアルゴリズムで表示をパーソナライズしています。それぞれのユーザーにとって興味がある、興味がありそうなコンテンツを見てもらうことで利用頻度や利用時間を伸ばそうとしているわけです。

アーティストは、それぞれのサービスのアルゴリズムを理解したうえでコンテンツを発信していく必要があります。それには頻度と内容の質が大切です。活動状況を写真やショート動画付きでこまめに発信します。音楽サブスクサービスでの新譜リリースも、シングル、EP、リミックスなどを様々なストーリーの一環として、順次発表していくことでファンとのつながりをキープします。

さらに各サービスにはユーザー動向を数値を中心に知ることができる分析ツールがあるので、まめにチェックすることでファンの反応を把握して、次のアクションにつなげることになります。

これらデジタル対応を起点にしながら、アーティストはこれまでの活動を行っていく必要があり時間のやりくりが大変です。しかしその活動を1年2年とやっていくうちに、ファンとの結びつきが強くなったり、新たなファンを獲得したりすることができるようになります。

0 件のコメント:

コメントを投稿