山下達郎のライヴ集「JOY2」を聴きました。前回の「JOY」が1989年リリースですから37年前。1988年大学卒の僕としてはまんま仕事人生の期間です。わが青春のといいますか、わが栄枯盛衰といいますか...とにかくよく聴いてきたんです。
初回限定の4枚組(通常盤3枚組)とあって、山下達郎ファン向け作品です。もっと言えばライヴに行ったことのある人向けでしょう。僕は近年では2023年の大宮に家族3人で行っています。1階14列目ほぼ真ん中。
ここは僕らしくオーディオ的視点から書いてみたいと思います。
1曲目「SPARKLE」ギターカッティングのあとドカーン、こりゃスゴい音だなと驚いた人も多いはず。楽器の音がハッキリクッキリで迫力十分です。
ん、でももしかしてこれ海苔波形音源じゃないかと、オーディオファンらしく無粋な予感が。この音圧でこのまま4枚聴き続けるのか...いやいや音量絞ればいいんじゃ...とあたふた。
ここは普遍的な山下達郎サウンド。狙いがあってのことだろうと聴き進みます。
だんだん14列目のライヴが脳内再生されてきました。こうだった、この音だった、この迫力だったと。この音圧が、なんと“忠実”に思えてきたのです。
ライヴ録音とはいえ、ヴォーカルや楽器のマイクやラインをミキサー卓に送ってマルチチャンネルで録音したものをミキシングしてマスタリングしたもの。拍手や歓声は会場のマイクで録ってミキシング。各楽器の音はハッキリクッキリです。メインはヴォーカル(とギターカッティング)をしっかり聴かせること。ほかの楽器に埋もれることはありません。
いまどきのクリックにあわせた演奏ではなく、“人力”リズム感でその道の達人たちが繰り広げる演奏は、ヴォーカルなしのインスト時間が多くなった長時間ライヴでも飽きさせることはないです。
各曲の録音日付をみても達郎さんが還暦以降に録音したものがほとんどです。僕も還暦過ぎたばかりですけど、アリエナイ声量と体力です。部分修正もなくありのままを作品にして、凄味さえ感じます。
好きか嫌いかでいえば、ライヴ1作目1978年の「IT'S A POPPIN' TIME」は六本木ピット・インでのライヴハウスらしいちょっとデッドな音が好きです。ジャズでもクラブなどの小規模な空間で録音したものを好んで聴いていますし。
で、本作は数百人規模のホール録音です。しっかりホールらしい響きと熱気を伝える音です。機材の進化もふまえつつ、この音がホール規模のライヴ録音の指標になるのではと思うくらいです。
ファンは、スタジオ録音では聴けない、ある意味“過剰”さと高揚感を期待してライヴを聴きに来ています。その熱気を伝えるための“音圧”だとしたら、海苔とか言ってないで笑、適正音量で楽しむのがいいんでしょう。ちなみに音量をかなり絞っても各楽器はしっかり聴きとれます。いろいろなスピーカーで聴いても意図が伝わる音だと思います。
僕はスピーカーで鳴らしたあと、ヘッドフォンでもじっくり聴いてみました。上記感想をより強く感じたのはヘッドフォンのほうでした。音圧強くて続けて聴けないかなと思いきや、歌や演奏の強弱や緊張弛緩をさらにしっかり感じとることができました。あえて耳に近接なヘッドフォンで聴いてみることもおすすめです。












